暮らしのエッセイ
ブイ・クレスブランド
ブイ・クレスシリーズ×4
インフォメーション
オンラインショップ
暮らしのエッセイ

エネルギーを生みだす時間 -vol.2- 立ち飲み屋で、文化交流

 はじめて立ち飲み屋に入ったきっかけは、会員制のブログとして日本で一番人気の「ミクシィ」でした。ミクシィには関心や興味を共有する人々が集まるコミュニティサイトがたくさんあり、そのひとつ、小グループの飲み会のコミュニティに以前から参加していました。

 そこで、ある女性の書き込みを発見。「立ち飲み屋で新年会やりませんか?」立ち飲み屋といえば、男性が行く場所では?ずっとそう思っていたのですが、あえて女性の方が飲み会の場所として指定するとは意外でした。その女性のコメントによると、おしゃれな店で女性客も多いとか。本当にそんな店あるの?と疑問に思いましたが、好奇心も沸いてきて、思わず参加しました。その店は名古屋市千種区にある「み〜ま」さんです。

 実際に行ってみると、ミクシィでコメントしていた女性は仕事が入ったようで不参加。しかもその日は女性客は誰もこなかったのですが、女性にとっても良いお店だと感じました。まず、ミクシィのコメント通り、女性が好みやすい、こじゃれたお店であること。それに、お店のスタッフの人柄に好感が持てました。「美馬(みま)」さんご夫妻で運営されているのですが、お二人とも客の対応が非常に細やか。特に一人で来店された客に対して、話し相手が必要な雰囲気なら、さりげなく話し相手になり、客の気持ちを和ませる。傍から見ていて、客への優しさを感じました。また暖かく客を見守る奥様がいることも、女性にとっては良い環境をつくっていると思いました。その日はあっというまに時間が流れて、3時間もそのお店に。ずっと立っていましたが、全く疲れませんでした。それから時々仕事帰りにお店に顔を出すようになり、より居心地のいい場所になっていました。

 立ち飲みスタイルとは不思議です。普通の居酒屋の場合、違うテーブルの見知らぬ客に話しかけることはあまりないと思います。しかし立ち飲みの場合には「席」という概念がありません。だから空間的な仕切りがない。それで客の心の壁も意外に薄い。1人で来るお客は多いですが、見知らぬ客同士で自然に会話を交わすようになり、帰る頃には仲良しグループがいくつか出来ていたりします。私にとって、男女を問わず、友人を増やす場所になっていました。

 しかも「み〜ま」さんのお店では、オリジナル企画を毎月いくつか行っています。例えば、人生交流会。会費は3000円程度で多くの方が集まってきます。常連客であっても、お互いに初めてお会いすることもよくあります。その場で親しくなって、さらに友人が増えるきっかけになっています。

 その他にも利き酒会もあります。なかなか手に入らないお酒を飲み比べできるとあって、お酒に詳しい常連客が集まってきます。マスターも客もお酒に関するウンチクを披露。心地よく酔いながら、お酒の勉強もできます。私は機会がなくて見に行ったことがありませんが、POP系やシャンソンなどの音楽ライブも開催。その時の様子を撮った写真を見ると、広い店内に入りきれないくらいのお客さんが来ていたようです。いつかぜひ参加したいものです。
 さまざまなイベントに参加しているうちに、ある常連客とこんな会話に。「日本の文化を楽しむということで、俳句会なんてどう?」マスターも「いいね、ここでやっていいよ」ということで、昨年7月に第1回俳句会を主催。何人参加してくれるのか、少し不安でしたが、突然来店されたお客さんも気軽に参加していただき、15、6人での開催となりました。なかなかの好評で、昨年度は3回俳句会を実施。来年度も2ヶ月に1回ペースで行う予定です。私にとって「み〜ま」さんは文化交流の場にもなってきました。

 最近女性でも気軽に入れる立ち飲み屋は増えているようです。仕事関係以外で友人をつくりたい、少し文化的な楽しみも味わいたい。そんな方は一度訪れてみてはいかがでしょうか。