「皮むき競争」2008年9月号表紙
「そんなの簡単さ」そう言って
オオカミは小さいナイフを持ち
リンゴの皮をくるりと剥きました。
「やっぱりオオカミさんはすごいなぁ」
そうキツネにほめられると、オオカミは
少しだけクスッと笑いました。
「じゃあ競争だよ」
キツネは大きいナイフを持つと
タンスの上にヒョイと上がり、つるつると
リンゴを剥きはじめました。
みごとなナイフさばきにみるみる赤い皮がのびていきます。
「オオカミさん、すごいでしょう」
そんな得意げなキツネを見ると
ほめられて笑った事が恥ずかしくなる
オオカミだった。
(フジタタカヒロ)