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リビングウェル

晴の日もよし 雨の日もさらによし

 テレビで遠い外国の自然を時々目にします。キレイな風景もあれば、人災や地球温暖化の影響を感じる風景も。そんな時、特に好ましくない映像を見ると、他人事のように感じてしまいます。では私が今住んでいる愛知県はどうなんだろう。その事を確かめることができるフィールドワークが、今年の春にありました。なごや環境大学の講座のひとつである「自然環境楽学」です。昨年度から身近な自然を観察するという目的で始まっています。今年のテーマは「森に降った雨が海に流れるまでの行程を楽しむ」。第1回は源流である海上の森を、第2回から4回まで森の水が流れる川沿いを、第5回で終着点である藤前干潟を歩き、最後の第6回でふりかえりをする、という内容でした。


 愛知県は水道水の美味しい地区です。今回歩くコースは、水道水の水系とは全く関係ありませんが、その先入観のために少々衝撃を。「海上の森」の水はきれいなのに、上流の矢田川から、すでに源流の美しさを残していなかったからです。川沿いの高い土手に道路が続いていて、時々車で通ります。遠くで眺めている時はわかりませんでしたが、近くでみると随分様子が違うものです。しかも開催日のほとんどが「雨」というのも幸いしたようです。例えば、臭い。雨が降ると水量と流れの速さが増し、晴れの時より川の水が撹拌され、川の本当の臭いが鮮明になっていました。信じ難い事に、下水の臭いが。川に詳しい方の説明によると「愛知県の川には一般家庭から多くの下水が流れている」。それを目で確かめるため、水質検査も行いました。実践的な解説を聞きながらの実験は、非常に面白いものです。

 また雨が小降りになると、川鳥が川岸に停まって、全身でダンスをしているような仕草を発見。全身の水を取り除くための行動のようでしたが、少々コミカルな動きが参加者の笑いを誘いました。さらに雨の日の緑は瑞々しくて美しく、ついついじっくり観察したくなります。川沿いの草花を見ると、いろんなカタチの葉っぱがあり、花の種類の多さも発見。身近な川ながら、知らない事が多い事に驚きました。雨の日の散策も楽しいものです。晴れの日とは違う世界、もっと知りたいですね。


知りたい!の輪

 読書とは一人で行うものとずっと思っていましたが、最近認識を変える出来事がありました。それは友人に紹介された「アウトプット勉強会」という読書会に参加するようになってから。事前に課題本を読んできて、感想や意見を議論する会です。参加者は20〜40代。20代前半の参加率は結構高く、非常に珍しい現象のようで、今年の2月2日(土)の中日新聞の夕刊1面に「読書離れ ここは無縁」というタイトル記事で紹介されているくらいです。これに参加するようになって、有名な本で関心はあるんだけど、仕事に直接関係ないから、なかなか自分では選ばない。そういう書籍を読むきっかけづくりになりました。それ以上に良かったのが、年齢や職業が異なる方々の意見を聞けることでした。自分では思いつかない視点からの感想も、非常によく耳にします。きっと多くのメンバーが、自分にはない発想を聞いて、新しい発見をしていると思います。しかも一人の意見に刺激されて、他のメンバーたちが恋愛論や人生論、時には政治論や経済論などに話を発展させることも。

 お互いの意見を尊重しあい、お互いの考え方を知ることで、新しい仲間が増えていく。この「知りたい」の輪が増えるというのは、一人で読書していては味わえない貴重な時間です。コピーライターとは、クライアントが伝えたいメッセージをエンドユーザーに伝えるやすくするのが仕事です。そのために、エンドユーザーの気持ちを知ることがとても重要になってきます。広告する中身によって、エンドユーザー像もさまざまです。そういう意味で、多彩な年齢層が集まる読書会は、間接的に仕事の幅を広げることにつながり、私の良い時間になっています。この読書会ですが、最初はビジネス関連の本を読む部会しかありませんでしたが、1年経って10部会まで増えています。私も3ヶ月前に歴史学部を立ち上げました。「知りたい」の輪をもっと広げていけたらと思っています。


エネルギーを生みだす時間 -vol.2- 立ち飲み屋で、文化交流

 はじめて立ち飲み屋に入ったきっかけは、会員制のブログとして日本で一番人気の「ミクシィ」でした。ミクシィには関心や興味を共有する人々が集まるコミュニティサイトがたくさんあり、そのひとつ、小グループの飲み会のコミュニティに以前から参加していました。

 そこで、ある女性の書き込みを発見。「立ち飲み屋で新年会やりませんか?」立ち飲み屋といえば、男性が行く場所では?ずっとそう思っていたのですが、あえて女性の方が飲み会の場所として指定するとは意外でした。その女性のコメントによると、おしゃれな店で女性客も多いとか。本当にそんな店あるの?と疑問に思いましたが、好奇心も沸いてきて、思わず参加しました。その店は名古屋市千種区にある「み〜ま」さんです。

 実際に行ってみると、ミクシィでコメントしていた女性は仕事が入ったようで不参加。しかもその日は女性客は誰もこなかったのですが、女性にとっても良いお店だと感じました。まず、ミクシィのコメント通り、女性が好みやすい、こじゃれたお店であること。それに、お店のスタッフの人柄に好感が持てました。「美馬(みま)」さんご夫妻で運営されているのですが、お二人とも客の対応が非常に細やか。特に一人で来店された客に対して、話し相手が必要な雰囲気なら、さりげなく話し相手になり、客の気持ちを和ませる。傍から見ていて、客への優しさを感じました。また暖かく客を見守る奥様がいることも、女性にとっては良い環境をつくっていると思いました。その日はあっというまに時間が流れて、3時間もそのお店に。ずっと立っていましたが、全く疲れませんでした。それから時々仕事帰りにお店に顔を出すようになり、より居心地のいい場所になっていました。

 立ち飲みスタイルとは不思議です。普通の居酒屋の場合、違うテーブルの見知らぬ客に話しかけることはあまりないと思います。しかし立ち飲みの場合には「席」という概念がありません。だから空間的な仕切りがない。それで客の心の壁も意外に薄い。1人で来るお客は多いですが、見知らぬ客同士で自然に会話を交わすようになり、帰る頃には仲良しグループがいくつか出来ていたりします。私にとって、男女を問わず、友人を増やす場所になっていました。

 しかも「み〜ま」さんのお店では、オリジナル企画を毎月いくつか行っています。例えば、人生交流会。会費は3000円程度で多くの方が集まってきます。常連客であっても、お互いに初めてお会いすることもよくあります。その場で親しくなって、さらに友人が増えるきっかけになっています。

 その他にも利き酒会もあります。なかなか手に入らないお酒を飲み比べできるとあって、お酒に詳しい常連客が集まってきます。マスターも客もお酒に関するウンチクを披露。心地よく酔いながら、お酒の勉強もできます。私は機会がなくて見に行ったことがありませんが、POP系やシャンソンなどの音楽ライブも開催。その時の様子を撮った写真を見ると、広い店内に入りきれないくらいのお客さんが来ていたようです。いつかぜひ参加したいものです。
 さまざまなイベントに参加しているうちに、ある常連客とこんな会話に。「日本の文化を楽しむということで、俳句会なんてどう?」マスターも「いいね、ここでやっていいよ」ということで、昨年7月に第1回俳句会を主催。何人参加してくれるのか、少し不安でしたが、突然来店されたお客さんも気軽に参加していただき、15、6人での開催となりました。なかなかの好評で、昨年度は3回俳句会を実施。来年度も2ヶ月に1回ペースで行う予定です。私にとって「み〜ま」さんは文化交流の場にもなってきました。

 最近女性でも気軽に入れる立ち飲み屋は増えているようです。仕事関係以外で友人をつくりたい、少し文化的な楽しみも味わいたい。そんな方は一度訪れてみてはいかがでしょうか。


エネルギーを生みだす時間 -vol.1- いまさら楽器?いまだから楽器!

 実は私も20代の時はバンド活動をしていましたが、30代の前半でやめてしまいました。直接的な理由は仕事が忙しくなったこと。その後、別のバンドに所属することなく、6〜7年が過ぎていきました。
 今思うと、小さい頃から植え付けられていた先入観も影響していたように感じています。母によると‥‥男性は社会人になったら道楽も必要だが、女性はもっと落ち着くべきであり、バンド活動なんて大人気ない趣味をやるべきでない。家庭において男性を陰ながら支えていく女性の立場から考えると妥当性はありそうですが、古臭い考えであることも否定もできません。
とはいえ、洗脳された考え方を払いのけることも難しいものでした。
 その洗脳を解ける時が、不意に訪れました。
 きっかけは、たまたま行った、あるサックス四重奏団のコンサート。配布されたパンフレットに衝撃的なチラシが挟まれていたのです。それは「アマチュアサクソフォーン愛好家100名によるサクソフォーンオーケストラ」のメンバー募集。チラシによると、5年前から年に1度「ナゴヤサックスフェスタ」というサックスの祭典が開催されていて、その最後のカリキュラムとして、上記の演目を用意されているようでした。演奏するのは2曲。そのうちの1曲は、あるCMで有名になった、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」。8000円というリーズナブルな参加費で、プロの音楽監督による指導も受けられるという、非常に興味深い内容でした。
 開催日は、翌年4月上旬。以前サックスを担当していた私としては、ぜひ出演したいという気持ちでいっぱいになり、バンド活動を休止していた6〜7年のブランクに対する不安以上に好奇心が先行し、今しかないと決断をしたのです。
 翌年3月上旬の初回練習に出てみると、メンバーの大半が中学生や高校生。社会人は2〜3割程度で、10人程度女性もいました。その中に30代半ばの既婚女性もいました。彼女によると…バンド活動は続けていくのは大変だけど、好きな趣味があるからこそ、仕事も家庭のことも気持ちよくできる、とのこと。私の母とは違う考え方。そう、私が心の奥では感じていた考え方と同じだったのです。彼女と親しくなり、私の心の中は完全に切り変わったような気がします。おかげで、すっきりした気持ちでその後の全体練習を受けることができました。
 またサックスで弦楽器のような音色を表現するという、特別な表現方法を学ぶ機会も得られたのです。「サックスだけで、こんなにきれいな音色を出せるなんて、本当に感動的な演奏だったよ」と、聴きにきてくれた友人も大変喜んでくれました。
 演奏会が終わって半年以上経ちますが、今でもその時の感動がよみがえってきます。そして、チャレンジする大切さをあらためて実感し、新しい勇気もわいてくるようになりました。

 社会人になると時間に追われて、気持ち的に躊躇する部分があって、心の奥でやってみたいことができない方は多いかもしれません。でもチャンスがきたら、ほんの少し気持ちを一歩踏み出してみる。「いまさら?」という気持ちを捨てて、「いまだから!」やってみる。そうすることで、想像以上の世界が待っているかもしれません。

著者:與語桜子、本業はコピーライター。
好きな言葉は
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」



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