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リビングウェル

れんこんで、「良いお年」を!?

この季節は、やはり“根菜”。
先月号でご紹介した「ごぼう」に続き、
大地のエネルギーを受けて育った
「れんこん」の登場です。
神秘的な花の下に伸びる根っこは、
お正月準備にも欠かせない縁起もの。
おいしいうちに、召し上がれ!

 夏に白やピンクの花を咲かせたハス。そのハスの花が咲いたあと、実の入った花托(かたく)が肥大します。この表面が蜂の巣に似ているため、古くは「蜂巣(はちす)」と呼ばれ、略されて「ハス」に。そして、このハスの地下茎が、食用になる「れんこん」です。
 れんこんの特徴といえば、穴。太いものでも細いものでも、中央に1つ、まわりに9〜10の穴が空いています。これは空気を送るための通気孔で、地中から葉までずっとつながっているのです。また、穴が空いていることから「先が見える」「見通しがきく」として、れんこんは縁起の良い食べものの代表。おせち料理の酢れんこんは、欠かせない一品となっていますね!古代インドでは、神がハスから誕生したという神話があり、聖なる花、吉祥の象徴にも。種が多いことから多産、生命、神秘のシンボルにもなっています。

 れんこんは、日本にもとからあった在来種と、明治初期に中国からやって来た中国種に大別されます。在来種はほっそりとして、全体的に茶色がかっています。やわらかで粘り気があって味はいいのですが、地下茎が深くて掘り出しにくく、収穫量も少ないことから現在の栽培は一部のみだとか。反対に中国種は地下茎が浅く、ふっくらとしたフォルム。掘り出しやすく、病気にも強いので現在の主流になっています。
 春に種れんこんが植えられ、晩秋から成長した新れんこんが掘り出されますが、れんこんは高温性の作物で、茎葉の生育適温は25〜30℃。ぐんぐん育つ7〜8月に晴天・高温日数の多い年ほど豊作になります。冬においしいれんこんは、アツ〜い夏があってこそ、なのです。

 ハスの花を見かけるところ(池やれんこん畑以外で)といえば、お城の堀。これはいざというとき、れんこんを非常食にするためだったという説があります。
 れんこんにはビタミンCがたっぷり。そしてあの少しネバ〜っとした糸引きは、ムチンという糖たんぱく質の一種で、滋養強壮にうれしい効果が。便通をよくする食物繊維も豊富です。また、切り口が変色しやすいのは、アク成分にタンニンが含まれているため(変色させないよう切ったものから酢水につけますよね)。タンニンは消炎・止血作用があり、れんこんの絞り汁を飲むことが昔から鼻血予防の民間療法として知られてきたそうです。そして、れんこんは野菜に珍しくビタミンB12も豊富。鉄分の吸収を高めるので、鉄分の多い食品といっしょに摂れば、なお良し!ということを知り、さっそく牛肉を使った【れんこんのきんぴら】を。れんこんのシャキシャキ感がたまりません!

材 料(4人分)
□牛肉薄切り・・・300g
□れんこん・・・・250g
□唐辛子・・・・・適量
□しょう油・・・・大さじ3
□みりん・・・・・大さじ3
□ごま油・・・・・大さじ1

1.

2.

3.

4.

れんこんは薄くスライスして酢水に、牛肉は適当な大きさに切る
鍋にゴマ油を熱して牛肉を炒める
色が変わったられんこんを加えてさらに炒め、しょう油・みりんで味付け
器に盛って小口切りにした唐辛子を飾ったら出来上がり


ごぼうは腸の掃除屋さん!?

土のなかでじっくりと栄養を蓄え、活躍のときを待っている―ごぼうって、そんなイメージ。独特の歯ざわりと、ほかの食材と一緒に調理したときの存在感はスゴイものが・・・。
旬の初冬こそおいしく、たっぷり味わって!

 いよいよ大気は冬の気配。11月は朝晩の冷え込みがさらに厳しくなり、冬への助走期間を迎えます。そんな時期は身体のなかから温めてくれる食べ物をしっかり摂って、呼吸気管を保護することが大切。冬場の乾燥した空気は呼吸気管を痛める原因となりやすく、免疫力の低下で風邪をこじらせ―という状況を招きかねません。そこで!身体を温めてくれる初冬の食べ物といえば、「根菜」。根菜のなかでも11月は、旬を迎える「ごぼう」がおすすめです。
 ごぼうの原産地は、ユーラシア大陸。中国から薬草として平安時代に渡来してきた野菜です。意外にも現在、ごぼうを食用とし、改良を重ねているのは日本だけだとか。中国ではおもに漢方薬に使われ、欧米人にとってはシャキシャキした歯ざわりや独特の香りから「日本人は木の根を食べている」と驚く珍しいものだそうです。

 日本人にとっておなじみのごぼうですが、ごぼうの花を見たことがある人はきっと少ないでしょう。ごぼうはキク科の植物で、春に種をまいて秋から冬にその根を収穫します。しかし、そのまま放置すると翌年の夏には茎が人の背丈ほどに伸び、枝分かれした先に丸い花が咲きます。花は筒状花(花びらの基部が細い筒となり、先端部が5つに割れて星形になったもの)ばかりで紫色または白色。あざみの花に似ています。花が咲くまで放置したごぼうの根は、地上で育っている部分に栄養を摂られてしまってスカスカ。こうなると簡単に引っこ抜けるそうで、食用にはなりません。
 ちなみに、マラソンなどで一気に抜く意味で使われる「ごぼう抜き」。抜きにくくて大変なごぼうを一気に抜く、という意味から語源になったという説が有力のようです。

 栄養面ではご存知のとおり、食物繊維がたっぷり。多くの女性を悩ませる便秘症の改善に効果大です。また、病気の原因となるような有害物質やコレステロールなどを吸着し、一緒に排泄してくれる働きも。ごぼうは「腸の掃除屋」なのです。
 そんなごぼうをモリモリ食べるべく、つくってみたのが【根菜炒め】。冒頭でもお話した、身体を温める=根菜のパワーもいただいてしまおう!と、根菜仲間のれんこん、にんじんと一緒にごぼうを炒める、わが家の初冬メニューです。味つけは市販の麺つゆで簡単、お手軽に。ほかにも天ぷら、きんぴら、サラダ、柳川鍋・・・ごぼうはいろんな調理で楽しめます。ぜひごぼうで、おいしく元気な毎日を!

材 料(4人分)
□ごぼう・・・・・・1/2本
□れんこん・・・・・100g
□にんじん・・・・・1/2本
□麺つゆ(3倍希釈)
    ・・・・・・大さじ3
□水 ・・・・・・・大さじ1
□酢 ・・・・・・・大さじ2
□赤唐辛子・・・・・・1本
□サラダ油・・・・・・適量

つくり方

1.

2.

3.

れんこんは5mmくらいの半月に切り、ごぼうは包丁の背で皮をこそげて3mmくらいの斜め薄切りにし、酢水(分量外)にさらす。
にんじんは短冊切り、赤唐辛子は種を取り除いてちぎる
フライパンにサラダ油を熱して水気を切った【】【】を炒め、全体に油がなじんだら麺つゆ、水、酢を加えて汁気がなくなるまで炒めて出来上がり


きのこの国に、秋が来た。

日本は、きのこの宝庫。種名の付いているものが約1500種あり、実際にはこの2〜3倍あると言われています。今は年中スーパーの店頭に並んでいますが、やはりおいしいのはこの時期。秋こそきのこを食べなくちゃ!

 秋の味覚といえば、「きのこ」ですね。しいたけ、まいたけ、えのきたけ、ぶなしめじ、エリンギ・・・スーパーでおなじみのきのこたち。その需要がピークとなる10月の真ん中、10月15日は日本特用林産振興会が定めた「きのこの日」でもあります。
 きのこは、ご存知のとおり“菌類”。種をつくらず、朽ち木や枯れ葉から養分を取って胞子で増えていきます。現在、行なわれているきのこの栽培法は、くぬぎなどの木に菌を植え付けてじっくり成長を待つ原木栽培と、おがくずに米ぬかなどを混ぜた人工の培地に菌を植え付ける菌床栽培。商業生産されるきのこについては、空調によって環境調整されている場合がほとんどですが、もともと温暖湿潤な日本は、きのこにとって絶好の環境なのです。
 ちなみに、きのこは『万葉集』や『古今和歌集』、『今昔物語』、『平家物語』に登場するなど、昔から秋の味覚として親しまれていた食材のようです。

 きのこの一般的な成分は野菜類に似ていて、食物繊維、ビタミンB類、ビタミンD、ミネラルなどの栄養素を豊富に含んでいます。しかも低カロリー(ダイエットの味方!)。きのこを食べることでお通じが良くなり、成人病の予防効果もあるとされています。また、きのこにはミネラルのカリウムが多いため、塩分の過剰摂取の抑制にも期待が。食事によって健康を維持するという意味の「医食同源」という言葉は、きのこにピッタリではないでしょうか。いつもの食卓でなじみ深い食用きのこのほかにも、霊芝(まんねんたけ)・冬虫夏草・桑黄など、古くから中国で漢方として愛用されてきた薬用もあり、きのこはホントに多種多様で体にいいんだ〜と納得。

 体にとってもいいきのこたち。これを使わない手はありません!そこで注目したのが、きのこのビタミンD。育ち盛りの子どもに食べさせたい料理・・・と考えると、栄養面では骨の形成を助けるカルシウムの摂取が浮かびます。カルシウムを摂るには牛乳やチーズなどの乳製品がよく、効率よくカルシウムを吸収するには、ビタミンDが必要です。ビタミンDはカルシウムの吸収を高めて骨に定着させる働きがあり、そのビタミンDが多いのは、魚ときのこ。魚ときのこを食べ合わせれば、乳製品の余分な脂肪分やコレステロールを食物繊維が吸着し、体外に排出する働きも期待できるから一石二鳥!というわけで、わが家では【しらすときのこのピザ】に挑戦しました。そうそう、カルシウムは骨を丈夫にするだけでなくイライラ予防にもなるので、がんばる主婦にピッタリ(笑)。子どもたちと一緒につくるのも楽しい一品です!

市販の生地にピザソースを塗り、玉ねぎ、しらす干し、ぶなしめじ、えのきたけをトッピング。チーズをかけて、焼いて出来上がり!


アキナス=おいしくて…飽き…ないなす!?

なすはなすでも秋のなすは、身が締まって特においしいと言われています。おいしいものをおいしい時期に食べる・・・これってちょっとした贅沢ですね!焼いたり、揚げたり、いろんな調理に活躍。飽きずに食べられる秋の代表選手なんです!

 「秋なすは嫁に食わすな」――ということわざはご存知ですね。おいしい秋なすを「お嫁さんには食べさせないよ!」という少々いじわるな説もありますが、食べ過ぎてお腹こわさないようにするためとか、体を冷やす作用があることから、お嫁さんを気づかった言葉などともいわれています。
 なすは一年中出回っていて、旬を感じなくなった野菜の一つですが、露地ものは7〜10月が旬。とくに秋に出回る「秋なす」は皮が薄く、実が充実していておいしいものです。また、なすには夏野菜の特徴として体を冷やす作用があり、のぼせや高血圧に効果がある(お酒をたくさん飲む方には、悪酔い防止の効果がある)ともいいます。ここから見るに、どちらのことわざも正解・・・のようですね。

 なすの原産はインド。日本には奈良時代に中国から伝わり、そのころから漬物などに使われ、日本人に親しまれてきた野菜です。ちなみに、「なす」という呼び名は宮中の女房言葉からきたもので、初めは「奈須比」と呼ばれていたとか。現在も西日本方面では、「なすび」と呼ばれています。
 なすといえば、「なす紺」という色を表わす言葉までも生んだ紫色が特徴。あの紫色は「ナスニン(アントシアニン系色素)」というポリフェノールの一種です。ポリフェノールは、活性酸素を抑えたり、血液をきれいにしたり(赤ワインやココアで話題になったこともあり、これはかなり有名ですね)。また、ナスニンは金属イオンと結合して色が安定化。きれいな色が身上のなすの漬物に、古いクギを入れて漬けるのもこのためです。

 ナスニンのこともあり、やはりなすは皮ごと食べるのがおすすめです。ナスニンは水溶性なので、油で炒めてから調理すると流失を防ぐことができるとか。ジュッと炒めて、モリモリ食べたいものです。
 そこでつくってみたのが【なすとししとうの味噌炒め】。ご飯に合って、おつまみにもなって、しかも簡単!というところが気に入りました(笑)。ししとうも今が旬ですし!ちなみに、いつも下ごしらえのときに捨ててしまっている「なすのへた」は、民間療法に一役。なすのへたは炎症を鎮めるとされ、10日ほど干してカラカラにしたものを患部に塗ると痛みが和らぐといわれています。昔の人の知恵ですね。捨てないことが、エコな時代にいいかも!?

□なす・・・・4本
□ししとう・・1パック
□味噌・・・・大さじ2
□酒・・・・・カップ1/4
□塩・醤油・・適量
(ごまはお好みで)

1.
2.

3.
4.

なすを食べやすい大きさに切り、ししとうはへたと種を取ります
フライパンに油を多めに入れてなすを炒め、しんなりしたらししとうを入れてさらに炒めます
酒に味噌をとき、[]のフライパンに入れて水分が飛ぶぐらい炒めます
塩と醤油で味を調え、お好みでごまをいれて和えます


枝豆はただのつまみにあらず

TVを観ながらプチッ、プチッ、ビールを飲みながらプチッ、プチッ…。口へはこぶ手が止まらない旬の野菜です。おいしくって、栄養が詰まっていて、しかも手軽。今回は、夏になると当たり前のように食卓に登場する枝豆のアレコレをご紹介します!

 今年も冷え冷えのビールがおいしい季節となりました。ビールのおつまみと言えば、そう、「枝豆」です。まさに夏の風物詩!
 枝豆は、大豆の未熟な実のこと(枝つきのまま茹でて食べたことから、この名が)で、私たちにとってはメジャーな存在でも現在枝豆を食べているのは、中国、台湾、タイ、ベトナムなどアジア圏のわずか数ヵ国。しかもその習慣は、いずれも日本から伝わったものだといいます。
 史実による記録では、中国で紀元前400〜200年前に北方から大豆が入ってきて「えびすまめ」と呼ばれ、五穀に数えられてきました。そして未熟な実を食べることは、奈良・平安時代からあったようで、江戸時代には夏に枝豆売りの姿が見られたとか。陰暦9月13日の月を「豆名月」(十三夜)と呼び、枝豆を供える習慣もこの頃に生まれました。
 未熟な大豆をどういうきっかけで食べ始めたかについては、いろいろな説があります。例えば奈良時代、たび重なる飢饉による食糧不足で収穫前の大豆を食べてしまったという食料不足説。平安時代に収穫できる時期の短い枝豆は希少価値の高い食べ物として、貴族たちに珍重されていたという希少価値説などなど。ともあれ、おいしい「枝豆」という食べ方に気付いてくれた昔の人には感謝…ですね。

 枝豆として食べられる種類の豆は、なんと数百種類!枝豆と聞いて「緑色の枝豆」が思い浮かべるのは主に関東地方で、関西では皮の黒い「黒豆」、上越では薄皮の茶色い「茶豆」がよく食べられているよう。有名な兵庫県の「丹波の黒豆」は文字どおり黒豆であり、山形県の「だだちゃ豆」は茶豆の種類の一つですから。―ちなみに愛知県在住の私は、緑色の枝豆です。
 枝の節間が狭く、サヤが密着して、豆が丸く膨らんだものが上質。そしてサヤにうぶ毛があり、青々としているものを選ぶのがコツ。熟しすぎると黄色みがかってきて味が落ちるので要注意です。葉や枝が枯れているものも避けるべきです。鮮度の低下が早いので、できるだけ買ったその日に茹でることがおいしくいただく基本!

 「畑の肉」とも言われる栄養満点の大豆。しかし枝豆は、その大豆に含まれていないビタミンA、ビタミンCも含んでいるうえ、枝豆のタンパク質にあるメチオニンはビタミンB1、ビタミンCとともにアルコールの分解を助け、肝機能の負担を軽くするといいます。ビールのおつまみに枝豆…これはとても理にかなったことなのです。また、枝豆はタンパク質、ビタミンB1、ビタミンB2、カルシウム、食物繊維を多く含んでいて、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変え、体内で疲労物質に変わるのを防ぎ代謝を促す効果があるので、この時季、手軽でのど越しのいいざるそばやそうめん、アイスクリームなど、糖質過多になりやすい食生活に果たす役割は大きいのです。
 手軽にサッと茹でて味わうことができる枝豆ですが、わが家の夏の食卓にはこの枝豆の栄養を「逃すものか(笑)」との思いから、【枝豆の冷製スープ】も登場します。とにかく簡単で、大人も子供も大丈夫な味。前述のとおり枝豆に詰まった栄養をまるごと摂ることができるメニューですから、ぜひお試しください!

□枝豆・・・・・・300g
□牛乳・・・・・・150〜200cc
□生クリーム・・・大さじ1
□塩・・・・・・・適宜

1.

枝豆を茹でて、殻と薄皮を取り除きます。

2.

1】と牛乳・生クリーム・塩をミキサーにかけます。

3.

器に注いで出来上がり。


ゴーヤーの苦みが元気の秘訣!?

5月8日(ゴーヤーの日)から8月5日(裏ゴーヤーの日)までの3ヵ月間が旬!まさに今が一番おいしいゴーヤーは、近ごろ人気の野菜です。栄養たっぷりで美容と健康にいいこの優良野菜、昔から本当に重宝がられていたんです…!?

 「ゴーヤー」と言えば「にがい!」(笑)。沖縄名物で、子供のころからあまり縁の無かった野菜でした。しかし昨今、健康ブームのなかでゴーヤー人気はうなぎのぼり。その需要に応えるかのごとく、年中スーパーで見かけますね。
 ゴーヤーはウリ科の一年草。表面にイボイボがあり、特有のにがみを持つ夏の野菜です。ちなみにこの「ゴーヤー」という呼び方は沖縄のもので、正式和名は「ツルレイシ」。地域によっては「ニガウリ」「ニガゴリ」「ニガゴイ」とも呼ばれています。
 原産地はインドを中心とする東南アジアで、それが中国に伝わり、日本には17世紀ごろに渡来してきたと言われています。そして沖縄にゴーヤーが伝わったのは、琉球王国時代の書物『琉球国由来記』(1713年)に苦瓜(ニガウリ)の名称が見られることからそれ以前と推測されるものの、時期ははっきりとしていません。

 貿易などを通じて中国と深い関わりがあった沖縄には、医食同源という中国風の考え方がありました。毎日の食事は飢えをしのぐものではなく、健康を維持するための薬沖縄の方言で「クスイムン(薬物)」「ヌチグスイ(命薬)」と表現されます。この考え方をもとにゴーヤーもただの野菜としてではなく、例えば暑さのために食欲がなくなったり、消化不良を起こしたり、十分に栄養補給ができなくなって体力が消耗…そんなときによく食されてきたのです。ゴーヤーにはモモルデシンやククルビタシンといった特有のにがみ成分があり、このにがみ成分が消化を高め食欲を増進する作用を持っているため、夏の疲れた胃腸を元気にすると言われています。

 ゴーヤーはビタミンC、カロテン、カリウム、鉄、リンなど様々な栄養素がたっぷり。なかでも豊富なのはビタミンCです。ビタミンCと言えばコラーゲン生成に欠かせない成分で、シミやシワを予防し、免疫力を高めて細胞の酸化を防ぐ、女性の肌にはうれしいもの!
 そんなわけで、さっそくわが家では「ゴーヤーチャンプルー」。ビタミンCは水溶性ビタミンなので、煮たり茹でたりすると汁の方へ出てしまいます。切ってから水にさらしても同様。水ほどではないものの熱にも弱いのです。だからこそササッと手早く炒めてでき上がり、加熱時間が短いゴーヤーチャンプルーはビタミンCを効率よく摂取できる料理法。さらに!ビタミンCはたんぱく質と一緒に摂るとストレスに対する抵抗力がUPしたり、コラーゲンの生成を促すと言いますから、ゴーヤー+豆腐の料理って理想的かな…って。夏の一品として、ぜひ食卓に!

□ゴーヤー・・・大1本
□木綿豆腐・・・400g
□卵・・・・・・2個
□サラダ油・・・大さじ2杯

□塩・・・・・・小さじ1/2
□しょう油・・・小さじ2
□カツオ節・・・適量

1.

ゴーヤーを縦半分に切ってスプーンで種とワタを取り、薄切りにします

2.

水分を除いて手でちぎった豆腐を油(大さじ1)できつね色になるまで焼いて塩(小さじ1/4)で調味し、取り出します

3.

油(大さじ1)でゴーヤーを炒め、火が通ったら塩(小さじ1/4)を加えて豆腐を戻します

4.

溶き卵を回し入れ、醤油を加えてさっと混ぜてカツオ節をかけます


すっぱさにありがとう、梅の酸味がカラダの味方!?

「梅の実が熟す頃であるから」という説もある梅雨。梅雨の時季は、まさに梅が旬を迎えます。梅干としてなじみ深く、ニッポンの食卓の名脇役ともいえる味は、料理でも抜群の働きをするのです!

 スーパーの店頭では、「自家製梅酒に!」というPOPとともに、梅と氷砂糖が最前列に並んでいる頃ですね。そう、梅の時季なんです。
 梅が日本の歴史において初めて記録されたのは、『懐風藻』(751年・現存する最古の日本漢詩集)だとされています。約1500年前、遣唐使が中国から日本に「烏梅(うばい)を持ち帰ったのが始まりといわれ、当時、梅は薬として使われていました。烏梅とは、煙で燻した真っ黒な梅で、現代にも漢方薬として伝わっています。そしてこの「梅」という呼び名は、中国で梅のことを「メイ/mei」といい、発音するとき「ゥメイ」と聞こえるので「ウメ」になったという説が有力。そのほか、熟実(うむみ)から転化したとか、烏梅(うばい)から由来したとかの諸説があります。
 梅は古い樹木であるために地方品種が多く、あんずに近い種なのであんずとの雑種も多く見られます。食用の実梅と観賞用の花梅を合わせると、現在確認されている品種は約350種類。品種が著しく増えたのは、江戸時代からだとか。大粒品種では白加賀(しろかが)・藤五郎(とうごろう)・南高(なんこう)・鶯宿(おうしゅく)・豊後(ぶんご)、中粒品種では長束(なつか)・薬師(やくし)、小粒品種では甲州最小(こうしゅうさいしょう)などが良く知られています。

 「梅は三毒を絶つ(この場合の三毒とは、食べ物の毒・水の毒・血の毒)」「朝夕1個食べれば、医者いらず」などといわれるように、古くからその効能が認められていました。
 梅といえば、あのすっぱさ!特徴的な酸味の成分は、クエン酸・リンゴ酸・コハク酸・酒石酸・ピクリン酸などで、このうちもっとも多く含まれているクエン酸には、体内でのエネルギー代謝を活発にし、疲労物質の分解を促進する働きがあります。そのクエン酸で覚えておきたいのが、カルシウムとの関係です。
 もともと日本の土壌にはカルシウムが少ないため、伝統的に日本人はカルシウム不足といわれています。また、カルシウムは摂取しても吸収効果が悪いので、体になかなか定着しません。しかし、クエン酸がカルシウムと結びつくと、カルシウムの吸収率がぐんと良くなり、カルシウムが骨から持ち出されるのを防ぐといわれているのです。ならば…と考えてつくり、そろそろわが家の定番メニューとなりつつあるのが【イワシの梅煮】。イワシもちょうど旬ですし、いかがでしょう!イワシにはコレステロールや中性脂肪を下げ、血栓をできにくくするEPA(エイコサペンタエン酸)や脳を活性化させるDHA(ドコサヘキサエン酸)、そしてカルシウムなどの栄養がたっぷり。イワシのカルシウムと梅のクエン酸の相乗効果に期待できるというものです!

□イワシ・・・8尾
□酒・・・・・40cc
□みりん・・・30cc

□砂糖・・・・大さじ1〜1.5杯
□しょう油・・30cc
□梅干し・・・4コ
□水・・・・・少々

1.
2.

イワシは頭と内臓をとり、身もよく洗っておきます。
鍋に調味料と水を入れて煮立て、イワシと梅干しを入れて中火で煮ます。(魚の臭みが抜け、梅干しの酸で骨も柔らかくなり、おいしく煮上がります)


レタスは、ただの葉っぱじゃない!?

旬の食材をテーマに、知っておもしろい豆知識と献立のヒントになりそうな身近な料理をご紹介します!今回は、初夏を代表する「レタス」。おなじみの野菜だけれど、これがなかなか奥深い・・・!?

 風薫る5月です。私たちにとって心地いい今の季節は、野菜たちにとってもご機嫌な季節。食卓にかかせない野菜が続々と旬を迎え、「レタス」もそのなかの一つです(産地により多少のズレはありますが・・・)。
 英語名のレタス【lettuce】は、ラテン語のラクチュカ【lactuca】から。この語源は牛乳を意味するラク【lac】で、レタスの葉や茎を切ると牛乳に似た白い液が出るところからきています。和名では「ちしゃ」。同じく牛乳をイメージする「乳草(ちちくさ)」という呼び名にもとづくものです。すでに紀元前に食用とされていて、ギリシャの哲学者・アリストテレスも食べていたとか。
 そしてレタスは、意外にも「キク科」。その形状からキャベツ、ハクサイ、ダイコン、ブロッコリー、カリフラワーなど野菜の多くが属しているアブラナ科(十字架のような形をした花弁と細長い角果が特徴)と間違えられますが、花を見れば一目瞭然!1〜2センチメートルの菊に似た、小さくて黄色い花が咲きます。その花が開いているのは午前中だけで、お昼近くにはもう閉じてしまうようです。花びらの一つひとつに白い冠毛のついた種が付き、タンポポのように空中をふわふわ。そういえば、タンポポもキク科でしたね。

 レタスの主な栄養は、β-カロテン、ビタミンC・E、カルシウム、鉄、カリウム、食物繊維など。そのなかでも注目したいのが、ビタミンEとの深いつながりです!
 1922年にアメリカの学者・エバンスとビショップは、ラットを既知のビタミンを含む飼料のみで飼育する実験を行ないました。その結果、分かったのは繁殖できなくなってしまうということ。原因をつきとめる過程で、小麦胚芽、牧草のアルファルファ、レタスを食事に加えると繁殖状態が正常に戻ったことから、それらに含まれる何らかの成分が関係していることを発見したのです。のちに、この成分が脂溶性で体内に欠乏すると卵子が受精後に育たないことが認められ、「ビタミンE」と命名。学名は「トコフェロール」で、ギリシャ語のトコ(子供を生む)、フェロル(力を与える)から引用したといわれています。レタスはビタミンEの生みの親でもあるのですね!

 レタスはサラダなどにして生で食べる場合が多いので栄養の残存率は高いのですが、あまり多く食べられません。そこで!おすすめしたいのが加熱すること。加熱をすればグンとかさが減り、栄養分をたっぷり摂ることができます。さらに油で調理することで、ビタミンEやカロテンの吸収が良くなるのです。

―というわけで、わが家の食卓にたびたび登場するのが、「レタスチャーハン」。

ちまたでいろんなレシピが紹介されていますが、うちの場合は卵・ハム・ピーマン・にんじん・・・などなど、冷蔵庫のなかにある(残っている)ものをパパッと入れるシンプルなチャーハンにレタスを加えます。すると、レタスによっていつもとは違った歯ごたえになり、レタスの緑が映えるので見ためもきれい。調理のポイントとしては、レタスに火を通しすぎると水分が出てベタベタになってしまうので、チャーハンができあがる直前にレタスを入れること。火を止める直前に入れて、ご飯の余熱で加熱するくらいがいいのです。また、塩がレタスのあとに入ると塩の作用でレタスから水分が出てしまうので、塩は先に。水分を出させないように調理すれば、おいしく仕上がります!



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